1122【いいふうふ】#1 (渡辺ペコ)

公認不倫の夫婦を描いた物語。

この巻ではここでしょう。
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はてなが出てくるとは!

まあそれはさておき。
セックスレスの夫婦なんてごまんといるわけだけれど、その中で勝手に不倫をしている人たちもたくさんいるのだろうけれど、公認不倫というのがすごいなと。でも主人公夫婦にとっては公認でも相手の女性にはそんなこと知りもしない夫も子どももいるじゃん完全に主人公夫婦のワガママじゃんとかもやっとするところもありつつ。もやっとさせるのも作品の内でしょう。

不倫ものがすごく嫌いで、大好きないくえみ綾の「あなたのことはそれほど」も1巻でリタイアしたのだけれど、この作品は続きを読むと思う。渡辺ペコは人の心の揺れをなかったことにしないで描くのに長けてる気がする。そしてその揺れはきっと共感しうるものなんじゃないかな。

淵の王(舞城王太郎)

淵の王

淵の王

久々に読んだ舞城王太郎。ホラーな展開に驚きつつも、読了。読後感はいつもの舞城王太郎の感じ。

物語は3章あり、それぞれ主人公となる人物を見守る「眼差し」のようなものが語り手になっている。そのため、「あなたは○○する」「君は××と感じる」など二人称で物語が進む。この「眼差し」は単なる客観的描写のための視点ではなく、もっとずっと主人公に対して親密で寄り添うようなものだ。この語り手の解釈については諸説あるので気になったら他のネタバレブログをご覧ください。

舞城王太郎が信じる人間の意志の持つ力の描写というのは一貫しているなあと思う。人間というものを基本的に信頼しているのだなあと。もしくはこうであってほしいという希望か。第1章の主人公が「私は光の道を歩まねばならない」と独り言を言うシーンがあるのだけれど、それはもしかしたら舞城王太郎の決意なのかもしれない。

そして最終章では「愛」について書いてある。これもいつもの舞城王太郎

久々に読んだけれど、ぐいぐい読ませるし内容も普通に面白いし、舞城王太郎全然健在じゃん!と思った。なんで話題にならないんだろうと思うのだけれど、世間では別に人間の意志の力とか愛とか、きっともっとわかりやすく書いてなくてはだめなのかもしれない。

東京ゴッドファーザーズ

今敏監督の作品。ゴッドファーザー的映画ではない。(タイトルはゴッドファーザーではなく「3人の名付け親(3Godfathers)」にちなんだものだということ)

クリスマスの奇跡の話。ウェルメイドでハートウォーミング。ただし登場人物はホームレス。
愛とは何か、家族とは何かということが描かれている。捨てられた赤ちゃん(清子)の家族を探して歩くのが、擬似家族(3人のホームレス)であるという対比。3人が旅の途中でそれぞれの家族(とそれに類するもの)に対する思いを深めていく。

特に序盤投げやりだった家出少女のミユキが物語を通して地味に成長しているのが良い。下のセリフは名台詞。ミユキの成長がよく分かる。

おんなじ命は2度と生まれてこないんだ
あんたも あたしも 清子もだよ!

かなりよくできている映画で、とか語るほど映画知ってるわけではないんだけれど、自分の中のアニメ映画トップ10に入る。御都合主義的という批判もあるだろうけれど、クリスマスの奇跡なんだから御都合主義でちょうどいい映画なのだ。テンポよくとんとんと進んでいくのもよい。最後のシーンが、その次のシーンを観ている者に委ねた形になっているのもいいなあと思った。このあとどうなるのか。観ている人の数だけ物語が広がっていく。